おじいちゃんを診てくれている先生は、30代半ばくらいの病院の院長先生の次男坊だか三男坊だかのいわゆる御曹司先生である。 それも世間でいうところのぼんぼんのイケメン?先生。 事務的な診察、年寄りには冷たいのではないかとのわたくしが最初先生に抱いた危惧はまったくの杞憂。 

若いのに、年寄りの言うことにキチンと耳を傾け、実に丁寧に診てくれるのである。 わかりにくい言葉は噛んで含めるように説明をしてくれる。 ちゃんと、付き添いにではなく年寄りの目を見つめて、である。 たくさんの患者を診ているのに、一年前のおじいちゃんがかかり出した時のこともよぉく覚えていて、あの時はタイヘンだったけど、あれから一年たちましたね・・・。 こうやって見ていたら、病人ではなくフツーの人とおんなじですやん~、と感慨深げに言われた。

一年前の今頃、死ぬの生きるのという状態で入院する予定でこの先生に診てもらったのだった。 そうですね・・・あの時は、今にも死にそうでタイヘンでしたものねぇ、と話す。 今日はすべり込みでやっと診てもらえたが、ほんとうは先生は急いておられたはず。 

なのに、おじいちゃんのつけている血圧ノートにゆっくり目を通し、肋骨のヒビのことを話すと、近所の整形外科医がしたのとおんなじような説明をし、だいじょうぶだからとおじいちゃんを励ましてくれた。 こういったちょっとしたことが、年寄りにとってはどんなに安心を与えられるものであるか・・・ありがたく思う。

先生、もうすぐあがられないとならないんでしょう? 来るのがギリギリになってすみませんでした。 と言うと、え?何で知ってるのん? 朝、病院から電話かかってきましたよ~と言うと、そうやねん~11時から身内の葬式やねんわ、と言われる。 11時10分前に・・・(;^_^A  ギリギリまで診てくださって、ありがとうございました。

♪年寄りにウォームハートの先生です